世界の殺処分0を目指して!

殺処分日本の状況


年間殺処分数は、犬7,687頭、猫30,757頭である(2018年度)
過去10年間の推移を見ると、殺処分数は約24万頭減少している。
殺処分数の減少しているのは、そもそも保健所の引取り数が減少していることと、殺処分率が低くなっている。
現状と今後の引取りの数の減少・殺処分率低下には行政と民間団体の協力が欠かせない!

殺処分が減少している背景

殺処分数が減少している背景には、民間の動物愛護団体が直接ペットを引取る数が増加したことにより、保健所が引取るペット数が減少したことがありそうだ。また、2012年に動物愛護法の改正が行われたことで、「終生飼養の責務」という趣旨に照らして、保健所は 「可愛くなくなったから」「引っ越しで飼えなくなったから」などの安易な引取りの申し出を拒否できるようになった。

殺処分率は、犬・猫共に少なくなっている傾向にある。ここには、行政と民間団体の協力が大きく影響していると思われる。地方自治体が運営する保護センターは、人手・収容能力・経済的制約といった要因のために、引取った動物を保護し続けることが難しい。さらに、保護センター単独では引取った動物を譲渡する「出口」能力にも限界がある。なので、民間の愛護団体と協力し、動物を保護するキャパシティを増やすこと、そして、出口を増やすことが非常に重要なのだ。このような行政と民間団体の協力は、既に神奈川県や東京都、広島県等で行われており、今後も様々な地方に広まっていくと期待される。

日本の殺処分率は非常に高い

理由があってペットを手放す人は多いですが、残念ながら日本ではそのようなペットを殺処分しているという事実があります。

 また、新たに飼い主に引き取ってもらった犬や猫の数は、たったの3万匹と言われています。非常に高い殺処分率だと思われますが、実は40年前に比べると、殺処分率は右肩下がりになってきました。40年前は信じられないことに、年間で約115万匹の犬や猫が殺処分されてきたという事例があります。しかし、最近になってようやく北海道や神奈川の動物保護センターで年間の殺処分数がゼロになるなど、昔に比べて殺処分数は確実に減っていっています。

 目に見えて殺処分の数が減っていっているのは事実なのです。が、実は、そもそもドイツでは殺処分数自体がゼロという、日本に比べると非常に驚くべき事実があり、ドイツからすると、日本が信じられないようです。確かに日本とドイツでは法律が違いますので、一概にドイツが優れているとは言えないかもしれませんが、そもそも犬や猫を殺処分しなくてはいけないと考えること自体がおかしな話です。ドイツでは、なぜ日本は殺処分ゼロにならないのか不思議に思っている人もいます。

殺処分0の国がある⁉

それは、ドイツです。

では、なぜドイツは日本とは違って犬や猫を殺処分しないのでしょうか。実はドイツでは、動物保護法という法律が1933年に制定され、それ以来動物は大事に扱われてきたのです。ただ、当時は動物愛護の精神というよりも、むしろ政治的な理由で動物を保護するという意味合いが強かったそうですが、それでもこの法律によって近年もドイツでは動物が殺処分されずにいます。

 当然、中には重い病気になる犬や猫もいるので、そのような動物は安楽死という手段を取ることもありますが、いわゆる殺処分というのはドイツでは存在しません。ナチス時代のドイツはユダヤ人を迫害したという歴史がありますので、近年はむしろ暴力に対して敏感になっている傾向があり、そもそも動物を殺処分するという概念自体がないのです。

 また、いわゆる「噛み癖」がある犬であっても、すぐに人に危害を加える凶暴な犬だと断定さずに、まずは犬の専門家によって調査した後に、その犬がリハビリによって噛み癖を直すことができるかどうかを考えます。日本のように、安易に殺処分をするという考えはドイツにはないのです。時間をかけてでも、その犬を教育するという手段を取ります。

 そして、仮に安楽死させるにしても、獣医学的観点から見て正当な理由がないと安楽死は認められておりません。日本のように簡単に殺処分するというわけではないのです。ドイツからすると、とても優しい日本人がなぜ動物を殺処分するのかが理解できないようです。生物を大切にするという観点からいうと褒められたことではありませんが、あまり多くなりすぎて「世話をすることができない」「莫大な予算がかかる」となってしまう可能性を考慮した結果、このような制度が成立しています。

実は日本にも殺処分0を達成できたことがある

神奈川県が殺処分0を達成!

日本において殺処分ゼロというのは無理なのかというと、実はそうではありません。例えば、平成25年度では、札幌市、神奈川県、熊本市が犬の殺処分数がゼロになり、26年度では神奈川県は犬と猫の両方で殺処分ゼロという数字を達成したのです。

 なぜ神奈川県は殺処分ゼロを達成できたのかというと、神奈川県ではボランティア活動が活発で、ボランティアの方が一生懸命殺処分ゼロを目指しているからです。単純に捨て犬や捨て猫を飼いたい人に譲るのではなくて、その人達がきちんと飼育できるかどうかまでチェックすることによって、再び犬や猫が捨てられるという悲劇を未然に防いでいるのです。また、神奈川県では県庁の駐車場にて捨て猫や捨て犬の譲渡が行われているなど、県全体が殺処分ゼロを目指しているという動きがあります。

 確かに、迷い犬や迷い猫を収容している間に病死してしまうことはあるようですし、怪我や病気が酷いときには安楽死という手段を取ることもあるそうですが、いわゆる殺処分というのは神奈川では行われていません。神奈川の動物保護センターでは、犬や猫に限らずうさぎや亀などのたくさんの動物を収容しており、犬や猫と同じように新たな飼い主の元にきちんと引き渡しています。

 このように、近年の日本では、自治体が積極的に殺処分ゼロを目指しているので、昭和に比べると殺処分数が非常に少なくなりつつあるという傾向があります。ただ、もちろん自治体などのこのような活動も大事ですが、そもそも犬や猫などの命を軽く見ている人間の方にも問題があります。ですから、殺処分ゼロを目指すためには、私達の意識も変える必要があります。

一人一人今できること

殺処分される動物一たちのために私たちができることはなにか。そう考えた時に、今すぐ簡単に行動できることは少ないのかもしれません。

ですがこうして、今の殺処分の状況を知ることから始まると思います。

殺処分の状況を知るために、わかりやすい本もでている。

今知ることから始めよう!

今後取組むべき課題

殺処分数はここ10年程で約24万頭減少したものの、依然として、年間4万頭近くの犬・猫が犠牲になっているのが現状だ。

殺処分問題に関する今後取り組むべき課題は以下の点である。

①引取られるペットの数を減少すること
ペットが保健所に引取られる要因は、飼育放棄や高齢者飼育、あるいは、迷子等の偶発的なものまでさまざまだ。

その中でも最も重大且つ解決し難い問題は、「終生飼養」に反して無責任に保健所や愛護団体に引取らせる飼育者がいることだ。飼い始めた後に苦労するであろうことを考えず、「可愛い」という感情に流されて気軽に飼うことを決断してはいけないはずだ。従って、行政と民間団体が協力して、責任を持って飼育できる人のみがペットを飼い始めることができる環境、及び、飼育者に責任を持ってペットを飼育してもらう環境を作ることが課題である。

一方、偶発的に起こってしまう「迷子」についても、ある一定の対策・対応はできるはずだ。例えば、ペットが迷子になってしまった際にBluetoothで探索できるようなウェアラブルデバイスが発売されているし、マイクロチップの普及啓発も行われている。保健所が引取るペットのうち8割以上が所有者不明である事実からも、迷子対策は重要度が高そうだ。

②引取られたペットを殺処分せずに済ませること
結果として、保健所に引取られてしまったペットが殺処分されずに済むために、保護センターが民間団体と協力して動物の継続的な引上げ活動を行ったり、行政自体が積極的な返還・譲渡活動等を行っていく必要がある。

また、その際には、譲渡後に同じような問題が繰り返されないように、保護されているペットに対して手厚いケアやしつけを行い、健全な状態でペットを送りだす努力が重要だ。

この記事を書いた人

ユイ

ユイ

専門学校2年生。